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環境浄化技術

●光反応による常温常圧無触媒脱硝

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船舶用の脱硝装置を開発中

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フォトケミカルリアクター

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波長172nmを発するエキシマランプ

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光反応器による常温・常圧・無触媒脱硝性能

背景と目的

 海洋汚染防止条約発効を背景に,船舶C重油ディーゼルエンジン排ガスの脱硝が求められている.しかし,この排ガスは温度が極めて低いこと(150℃以下),触媒を被毒する硫黄分を多く含むことから,低温・硫黄存在下で動作する革新的な脱硝法の開発が求められている.
 本研究では,触媒(レアメタル)を用いない超低温脱硝法の開発に挑戦する.すなわち,アンモニア,一酸化窒素,酸素,二酸化硫黄などが共存するガスに波長172-190 nmの紫外線を照射した時に光反応で生成する反応中間体(NHi, OHなど)や化学種(H2, N2H4, O3など)を利用し,室温から180℃で機能する低温無触媒脱硝法を確立する.
 本研究では,光脱硝反応速度を測定して反応機構を明らかにしたうえで,実用の船舶無触媒脱硝プロセスを試設計するレベルまで取り組む.光反応利用の流通式低温無触媒脱硝の研究例は皆無であり,本研究は学術的に独創性があるとともに世界的な環境負荷低減に貢献する.