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環境浄化技術

●大気圧プラズマによる燃料電池水素オフガスの酸化処理

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大気圧プラズマにより低温で水素を安全に酸化

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300W程度で8.0L/minの水素を酸化可能

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プラズマ内水素酸化反応メカニズムを解明

背景と目的

 自動車交通にかかわるエネルギー・環境問題においては,その解決手段として水素を利用した燃料電池自動車(FCV)の普及に期待が高まっている.しかし,FCVの本格的普及においては,水素に対する十分な安全対策が必要となる.FCVに用いられる固体高分子形燃料電池(PEFC)では,水素を過剰に供給し,それを再循環することで水素利用率と発電効率を高めているが,水素再循環系内に混入する窒素や水などの不純物を除去するために,時々,それらを系外に排出しなければならない.この排ガスは水素オフガスと呼ばれ,その水素濃度は90 vol%を超えることもある。水素の爆発範囲は4-75 %(空気中)と非常に広いため,FCVにおいては水素オフガスの適切な処理が必要とされる.
 我々は誘電体バリア放電(DBD)による大気圧非平衡プラズマで水素を酸化処理する方法を提案している.この方法は,装置が小型で単純であること,触媒を使わないこと,水素を完全酸化できることから,コスト面,安全面,車載性に優れた方法と言える。
 本研究の最終目標は,大気圧非平衡プラズマによる実用的な水素酸化処理装置の開発である。これまでに,H2/O2/Ar混合気体での水素酸化特性を調べ,DBDの直接処理で水素を高効率に処理できることとその反応メカニズムを報告してきた.